ご挨拶
伝統ある近畿北陸地区歯科医学大会は昭和23年(1948年)に「日本歯科医師会学術会議 近畿地区歯科医学大会」として開催されたのが始まりです。今回、第75回と節目となる当大会を、「躍動する歯科医学、歯科医療の針路航跡」をテーマに、滋賀県において開催できることは誠に光栄です。
近年、歯と口の疾患が全身に様々な影響を及ぼすことが明らかにされ、多くの人々に口腔の健康管理の重要性が認識されつつあります。口腔の健康維持・増進は、ひいては全身の健康につながります。健康寿命の延伸に貢献できますよう、私たちは常に研鑽を積み重ねなくてはなりません。
本大会の特別講演1においては、慶應義塾大学医学部 医療政策・管理学教室 宮田裕章教授から「医療ビッグデータ解析の現状と展望」と題して、身の回りの様々なデータを解析することにより、人々の健康な生活に結びつくための、最新のデータ解析の現状と展望をご講演いただきます。
特別講演2では、大阪大学大学院歯学研究科 口腔治療学講座 村上伸也教授から「歯周病学の近未来を俯瞰する-再生医学と歯周医学への貢献-」と題して、塩基性線維芽細胞増殖因子を用いた歯周組織再生剤の開発と効果について、また、全身と歯周病の関わりについて模索を続けてきた歯周医学の発展についてご講演いただきます。
特別講演3では、愛知県ご開業の 医療法人月星歯科クリニック 理事長 月星光博先生より「外傷歯学の黎明期から成熟期へ」と題して、外傷歯学を学問体系として築いてこられた軌跡についてご講演をいただきます。
滋賀県には史跡・名勝も多く、豊かな自然に恵まれており、湖の幸、山の幸を用いた湖国料理もあります。それらを堪能していただきたく存じます。ぜひとも万障お繰り合わせの上ご参加賜り、琵琶湖岸にある会場から比叡山や比良山の山並みを眺望しながら、多くの皆様に有意義な時間を共有していただければと願っております。
最後になりましたが、本大会の開催にあたりましてご尽力を賜りました関係者の方々に深く感謝を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人滋賀県歯科医師会 会長
中村 彰彦