ご挨拶

第76回近畿北陸地区歯科医学大会を「デジタル新時代~歯科医療の新たな課題~」をテーマに兵庫県において開催できますことを誠に光栄に存じます。

国はオンライン資格確認システムを基盤とした医療DXを推進しています。医療DXの元来の目的は、保健・医療・介護を実践する中で発生する情報やデータを、デジタル技術を活用して整備し、国民が良質な医療やケアを受けられるよう社会の形を変えていくことにあります。歯科開業医の立場では、まずオンライン資格確認やオンライン請求、電子処方箋、次に電子カルテやアプリを利用したスクリーニング・口腔スキャナーを用いたデジタルの活用、口腔粘膜疾患のAI診断、続いて離島での医療や在宅診療におけるDXのインフラ整備などを挙げることができます。

一方DXは我々の日常生活において日々進化を続けています。既に人とデジタルが織りなす近未来歯科医療には様々なアプローチが展開されており、DX により新たなステージの幕が開き、多方面でのパラダイムシフトが求められています。デジタルと融合・連携した歯科医療のはばたける未来を見通し、デジタルデンティストリーの未来予想図を皆様とともに考えていきたいと思います。

今大会の特別公演として大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩先生から「アバターと未来社会」と題してアバター技術がどのように世の中を変えていくかについて、ご自身のアンドロイドを使ってご講演をいただきます。午後からの歯科講演1では大阪府ご開業の大月基弘先生から「21世紀の歯周治療はどのように進歩していくのか-少し先のミライを見据えて-」と題して、また歯科講演2では大阪府ご開業の須田剛義先生による「デジタル時代を見据えた補綴治療や長期的な補綴物の成功に導く治療計画-すぐそこにあるミライの治療-」と題してご講演をいただきます。

兵庫県は南北に長く、日本海と瀬戸内海の両方に接し、多様な風土や歴史、産業、文化が集まっています。また自然や温泉、歴史スポット、美食などの魅力が豊富にあります。もしお時間が許せば、兵庫県の魅力を堪能して頂ければと思います。

最後になりましたが、本大会の開催にあたりご尽力を賜りました関係者の方々に深く感謝を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人 兵庫県歯科医師会

会長 橋本 芳紀